強引部長の独占ジェラシー


それがなんだか居心地が悪くて、どうにかいつもの雰囲気に戻そうと私は必死だった。


「あ、あれだ。河原くんは優しいから要領の悪い同期が放っておけないんだ」

「そうじゃない、」


すっ、と手を伸ばして私の手に触れる。河原くんの真剣な瞳と目が合うと、もう視線を逃がすことは出来なかった。触れる手は熱を持ちながら優しく私の手握りこむ。


「俺さ……」


いつも陽気に話す彼が大事なことを言おうとしているのは明確だった。


「純夏ちゃんのことが好きなんだ」


ハッキリと落とされたその言葉は真っ直ぐに私の心に入ってく。だけれど、馴染むことは無かった。


嘘だ、絶対。罰ゲームか何かでしょう?
今だってそう思う。

だけど、河原くんの瞳はそうじゃない。


「ずっと純夏ちゃんが好きだった。本当はもっと早く言おうと思ってたんだけど……なかなか勇気が出なくてさ。……本気なんだ」

「あ、の……っ、」

「突然言って驚かせてごめん。でも返事聞かせて欲しい」


河原くんの骨張った長い指が手から髪に移動して絡めとる。ふわりと髪をとかす仕草に私は息をつめた。

見たことのない河原くんの表情。強い眼差し。
私にはそれが怖かった。


もう逃げることは出来ない。


「純夏ちゃん」

「やっ、」

私はついに耐え切れなくなって、河原くんの胸を思いっきり押し返した。


「お、わ」


バランスを崩した河原くんは後ろによろけながらも驚いた顔で私を見る。

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