強引部長の独占ジェラシー
「違うの?」
「心外だな〜」
河原くんはむっと口を尖らせる。
「だってご飯とか飲みとかよく色んな人、誘ってるんじゃないの?」
「純夏ちゃんだけだよ、自分から誘ってるのは」
いつもふざけたように「俺、モテるから」なんて言って見せるのに、今回河原くんはそういうおちゃらけたことを言ったりしなかった。
「分かった!後は向こうから来るから、とか言うんでしょ〜」
だから私の方からそそのかしてみたのに、河原くんの表情は私が期待したようなものでは無い。
真剣な顔だった。
ゆっくりこっちを見て、何かを言いたそうな顔をしていた。
あれ……なんかいつもと雰囲気が違う?
そう思った時、河原くんは少し寂しそうな表情をみせてなら呟いた。
「そろそろ気づいて欲しいんだけどなあ」
「え?」
「俺、ご飯とかそういうの、好きな子しか誘わないよ」
真っ直ぐに私を見つめる瞳はいつになく真剣で、私はその瞳から逃れるように視線を逸らした。
「……だって、ほら。石原さんも飲みに行ったって言ってたし……」
「ふたりでじゃないよ。それに、朝みたいな事したりするのも純夏ちゃんだけだから。誰にでもするわけじゃないよ」
突然の言葉に私は戸惑った。
色んな人に声をかけていて、遊んでいる人。誰に聞いてもそんな言葉が返ってくる河原くんが私だけだ、なんて信じられるわけがなくて、でも、それでも嘘でしょ?なんて聞く雰囲気でも無い。