強引部長の独占ジェラシー
健気だ、と思う。
そんな川島を見るとどうしても手を伸ばして包み込んでしまいたくなる。
思えばずっとそうだったな。
展示会の時、俺が元カノにかけられた言葉に傷ついていると勘違いして川島が言った言葉。
『わ、私は……幸せです……!部長の部下でとても幸せです』
幸せじゃなかっと言ってきた彼女に対して川島はそう言って俺を慰めた。
彼女はいつも一生懸命で、時に人の感情にまで入り込む。その姿が健気で可愛いと思った。
ーー俺は気にしていないのに。
思い返すたびに、くすりと笑って笑顔になれた。
それを簡単に”好き”と言うことだと決めてしまえれば良かった。だけどそうじゃないことを知っている。
好きなんだと思い込み、結局好きになることが出来ずに何人もの人を傷つけた。
「川島、聞いてくれ……俺には分からない。どの気持ちが好きということで、どの気持ちが愛というものなのか」
完璧だ、なんて川島は俺に言う。
だけど本当はそうじゃない。
「もういいかと思った時に表れたのがお前だったんだ。でもこれを好きだと勘違いしてしまったら俺はまたお前を傷つけることになる」