【完】1輪の花たちは
わけがわからない。

いきなりお父さんは死んだと伝えられ

これからは、殺人者と共に同じ空気を吸うなんて

しかも、マフィアの一員?

そもそもマフィアってなに?

暴力的犯罪組織とかなんとか言ってたけど、人に暴力をふるうの????なにか犯罪を犯すの?


わけもわからず、ただただ私は走り続けた。


「もう、なんなの………!」


いつの間にか周りは明るくて、外に出たのだと知らされた。


「あ、あの………?」


どうやら外には先客がいたらしい。


「あぁ。気にしないでください。空気だと思って」

「はぁ…………?」


それでも満足できないのか、不思議そうにこちらを見てくる。


「あの。なにか?」

「いや、見かけない顔だなと思いまして」

「あぁ。なんか私、今日からここに入るみたいですよ。ファミリーとか、ボスとか、どーのこーの」

「そうなんですね」


そういうと、私に近づいてきた。


「じゃあ、貴方はまだ何も知らないと?」


やけに大人びた男性が、私の目の前に立ち、質問をした。

なんだか、ドギマギしてしまう。


「えっと………そういう事、ですかね?」

「そうですか。貴方が」

「………?」


壁に手をついて、私を見下ろす。

これを、壁ドンというのか???


「では。そうなのですね。まぁ確かにちょっと子供っぽいというか、初々しい感じではありまして」

「あの。なんの事でしょうか?」

「いえ。こっちの話です」


そして、壁から手を離し歩き出す。


「案内します。ついてきてください」

「はぁ………………?」


なんとなーく。言われるがままについていく。

さっきまでのイライラした気持ちなんか、今はどうでも良かった。
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