【完】1輪の花たちは
「おし。行くか」
ボスは早速動き出した。
「ほら、来いよ?」
「あ!うん!」
そして私たちは部屋を後にした。
「そーいえばボス。取り引きに行った時なんか置いて行ってなかった?」
「ん?あぁ…花のことか?」
「花?花置いてったの?ボスって案外ロマンチスト……」
「そういう訳じゃねーよ。それが俺ら、このファミリーのやり方」
「というと?」
「俺らの名前、全部花の名前から来てんだよ」
「え!?そうなの!?」
「そ」
ボスが言うには、みんなの名前は花からとっているんだとか。
それも全部、ボスがつけた名前だとか。
ダリアは、そのままダリアという花から。
フキは、フキノトウという花から。
ムスカは、ムスカリという花から。
ベリーは、ロベリアという花から。
ユリは、そのままユリという花から。
アジサは、アジサイという花から。
そして私は、スノードロップという花からつけたんだとか。
「そういう事。ついたよ〜」
「あっ!ほんとだ!」
またあの怖い目を見ることになるんだ……とか思ったら足がすくんできた。