もしも、この世界を支配できるとしたら・・・
「今日は君たちに新しい友を紹介しよう。君入りたまえ。田中、騒ぐな。しかも男だ。」


 たかが転校生ごときで騒ぐなよ。しかし、転校生とは、また急な。


 重々しい扉が音を立てて開いた。


 「はじめまして、福岡から転校してきました藻坂秀秋です。よろしくです。」


 
ん?どっかで聞いたような声だな。ひであき、ひで・・・ひんでぃー。まさかね。


 「ちなみに天宮龍之介君とは、親戚で、たまたま親の仕事で大阪に転向したときに仲良くしてました。

ね?左手に竜を宿した神龍(シェンロン)君。」


 「待て待て、何で知ってんだよ。じゃなくて、そ、そんなこと言った覚えないから」


 マジ意味わかんない。そりゃね、そんな時期も会ったよ。てかみんなもあるよね。普通に、ある日、みんなとは違うことに気づいて、もしかしてってなるあれだよ。そういうのだから。僕ももう卒業してるから。


 「なんでって、僕が神だからだよ?」


 うわー マジでめんどくさいのに捕まったよこれ。マジでだるいわ。なんか教室、ざわついてるし。


 「ま、そんなとこなんで皆さんよろしくお願いします。」


 よろしくじゃねーし。てかなんで、僕の黒歴史暴露しちゃうかな。


 「ホントそういうの嫌い。何で言っちゃうかな。ざついだけのがさつ人間死ね。」


 どっかで聞いた様なセリフだな。ま、いいか。


 「まあまあ、そうかっかしないの。龍ちゃん。」


 龍ちゃん言うな。


 さっと自称“神様”の手を払った。


 「ねぇ、龍ちゃん。昨日のアニメ見た?」


 「龍ちゃんいうな、まみ。いや、昨日は見れてない。録画はしたけど。期末近いし簡単に勉強してたわ。」


 「昨日、君の嫁の神回だったわよ。」


 「え?マジでか?そんな告知なかったぞ。」


 「君の嫁ほぼ、モブじゃない。」


 「貴様・・・訂正しろ。舞子君のるりちゃんに謝れ。たとえ、神様、仏様が許したってこの俺様がゆるさねえぞ。まいいや、ちょ、俺帰るわ。レムりんの神回ならまだしもるりちゃんとんあっては話が別だわ。お疲れさん。」


また、席を立とうとすると、さっき出って行った佐久間先生が入ってきた。


 「お、天宮。どこ行くんだい?」


 「いえ、少しトイレに・・・」


 おおそうかサボるのかといわんばかりの笑顔でこっちに近づいてくる。いや、笑顔は笑顔でも、目が笑ってないから。


 「まだ授業まで時間がある。ちょっと資料運ぶから手伝いたまえ。」


 えぇー、マジですかい。ってヘッドロックやめてもらえます?俺ガエルみたく胸当たってるから。マジで勘弁して。

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