例え結婚指輪が無いとしても。
耳に不思議な感覚が残っているが
そんなことはそっちのけで
紘さんは “ べー、して? ” と
私にだけ聞こえる位の小声で。
私が小さく舌を出すと、
紘さんは私の舌をいやらしい音を立て
吸い付くようにキスをしてきた。
紘さんのキスはとても優しく、
口の中は温かく、とろけそう。
1分くらい経った頃、
紘さんは唇を離して
由舞さんに「恥ずいわ」と
顔を赤らめて言っていた。
紘さんの赤らみが移ったのか、
自分で顔が赤くなっている事が
分かる程に顔が熱くなった。