守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「いらっしゃいませ、幸福寿司へようこそ!」


いつも通り店で働く私。
何1つ変わってはいない。

でも胸の中にポカリと穴が空いた様な気分になっていた。

癖の様に慣れた様に視線をある場所に向ける。
空席のカウンターだ。

そこは山瀬さんが来た時に座っていた指定席みたいなものだった。

でも……。
そこはかれこれ2ヶ月くらい埋まる事は無かった。


「……」

「しけた面してやがるな~」

「……別にそんなんじゃありません……」


大将の言葉に素っ気なく返事をして仕事に取り掛かる。
でも心ここにあらずといった様にぼんやりとしてしまう。


「ったく、まだ根に持ってやがるのか?」

「別に根に持ってなんか……」


言い返そうとすれば常連のお客様が私に話し掛けてきた。
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