守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「……俺のことはチーフって呼べ」

「は、はい!」

「俺はお前が入ることを祝福する訳じゃねぇ」


最初から山瀨さんが店に入ることは反対だったチーフ。
冷たい言葉が向けられるがすぐにチーフはタメ息を吐いた。


「だが……入るなら容赦しねぇ。厳しくいくから覚悟しとけよ」

「は……はい!」


厳しくも優しい瞳をするチーフ。
この人は素直じゃないな……。
普通に頑張れよって言えばいいのに……。

そう思っていればチーフと目が合った。


「それと海咲」

「え?」

「お前も覚悟しとけよ」

「チーフそれって……どういう……」

「俺はもう……逃げない」


チーフはそう言うと私の方へとゆっくりと近づいてくる。
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