守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「……やり直そう、2人で」


何も言えなかった。
その気持ちは嬉しい。
私のせいでこんなことになったというのに、それすら自分のせいにしながら私を受け入れくれようとしている。


「……」

「まあ、ゆっくりでいいさ」

「拓海先輩……?」

「今は……俺の気持ちを知ってくれるだけで十分だ」


先輩の優しさは昔も今も変わらない。


「私……」

「……シャワー浴びてこい、本当に風邪引くぞ」

「拓海先輩が先に……」

「ばか、さっさと行ってこい。じゃなきゃ……一緒に入るぞ」


冗談交じりにそう言うと拓海先輩は優しく私をバスルームへと押した。
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