【短童話】星のつくりかた
うつむいたぼくの目の前に小さな手ににぎられた四葉のクローバーがさしだされました。



「お兄ちゃん、ごめんね。これあげる」


「え……ぼくに?」


心配そうにぼくを見上げる夜空より真っ黒なひとみには、おどろいた顔のぼくが映っていました。


「うん、あのね、お兄ちゃんがずっと元気がなかったから元気になってほしいの!」



いつだってこの男の子は、むじゃきなひとみをきらきらと光らせています。



「ありがとう」


そんなすがたを見ていると、自然と笑顔があふれてくるのです。


その時ぼくはやっと気づきました。


星の材料の言葉は笑顔をつくる材料でした。


ほんとうの星の材料は、ぼくたちのあたたかい笑顔だったのです。



きっと今、星がふたつふえたはずです。


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