俺様社長の溺愛宣言
…食事を済ませ、再び車に乗った満里奈が、ボソッと呟いた。

「…これの何処が、ペナルティなんですか?」
「…」

…確かに、こんなのペナルティでもなんでもない。

「…食事だけなら、もう全部終わりましたよね?私は、帰らせてもらいます」

強気に出ているつもりなのだろうが、声も手も、微かに震えている。

「…これで終わりだと思うか?」

俺の言葉にばっとこちらを向く満里奈をチラ見した。

「…今度はどこへ?」
「…着けば分かる」

また、それだけ言って車は目的地へと進んでいく。

間もなくして着いたところは、高層マンション。

車を駐車場に停め、満里奈の手を引き降ろすと、最上階迄エレベーターで向かう。

相変わらず満里奈の手は震えていて、緊張からか、少しだけ汗ばんでいた。

「…この手を離すことは出来ませんか?」
「…逃げるから離さない」

「…に、逃げません。…逃げられません。だから、離してください」
「…却下」

俺の答えに、満里奈は溜め息をついた。

カードキーで鍵を開け中に入る。

そしてソファーに満里奈を座らせると、自分も横に座る。

満里奈は少しだけ、離れようと試みたが、俺はそれを許さず腰に手を回した。

「…御崎社長…お願いですから離れてください」
「…ペナルティだと言ったはずだ」

「…わ、私を襲う気ですか?」
「…」

「…わ、私なんて襲ったって、なんの特にもなりませんよ。男のおの字も知らないような女ですから」

…男のおの字も知らないような女ですから?

俺は思わず眉間にシワを寄せた。
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