俺様社長の溺愛宣言
「…どういう意味だ?」
「…」

俺の問いには応える気がないのか、そっぽを向いた。

その行動に、イラッときて、満里奈を押し倒す。

驚いた満里奈は目を見開いて固まっている。

「…俺にそんな態度をとってもいいのか?」
「…」

「…このまま襲っても、文句はないな」「…ゃ!!」

ほんの数センチのところでキスを止める。

「…満里奈」
「…もぅ、勘弁してください。会社クビになってもいいですから~」

ぎゅっと目を瞑ってるはずなのに、微かな隙間から、何度となく涙が流れ落ちる。

…俺は満里奈を起こし、ぎゅっと抱き締めた。

「…さっきの意味が知りたい」
「…私、男の人が苦手なんです。今までで一度も近寄った事もなくて…仕事でも、極力離れて過ごしてたのに、こんなこと…もう、嫌です。御崎社長なんて、嫌いです」

…そんなことを聞かされて、はいそうですかと、引き下がれるはずがなかった。

見ているだけなら、諦められた。

だがしかし、こうやって触れてしまえば、手放すなんてあり得ない。

「…俺はどうしても満里奈が欲しい。今からでも慣れることはできる。そうすれば好きになれる」

「…そんな簡単なものじゃ」
「…簡単なことだ」

「…恵と同じようなことを」

そう言って、溜め息をついた満里奈が、少しだけ口角を上げた。

それがなんだか嬉しくて、笑みがこぼれる。

「…鬼社長じゃない」

「…」

満里奈の言葉に、怪訝な顔をする。

「…す、すみません」
「…満里奈が俺を抱き締めてくれたら許さないでもない」

焦る満里奈にそう言うと、意を決した満里奈は、俺をそっと抱き締めた。

「…もっと強く」

俺の言葉に従順に従いその腕に力を込める満里奈。

「…もっと」
「…も。もぅ、これ以上は、無理です」

俺はフッと、笑って満里奈を抱き締めた。
< 16 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop