俺様社長の溺愛宣言
「…え、あ、え?」

シドロモドロになりながら、言葉を発するも言葉になっていないため、何を言ってるのか、わからない。

そんな満里奈をよそに、社長である御崎零士は話を続ける。

「わかったか?それじゃあ行くぞ」
「…え?わっ!ちょっ?!」

律儀にも、零士は脚立を隅に置き、突然満里奈を肩に担いだ。

当然、満里奈は驚いて、バタバタと足をバタつかせた。

「そんなに足をバタつかせてると、パンツが丸見えだぞ」
「…?!」

零士の言葉に、満里奈の足がピタリと止まった。

「素直でよろしい」
「…ど、何処に連れて行くつもりですか?」

暴れることは諦めたが、行く場所もわからないなんて嫌だと思った満里奈は、零士に問う。

「…着けば分かる」
「…」

意を決して問いかけたのに、まさかの答えに満里奈は落胆した。

直ぐにエレベーターに乗った為、誰にも見られずに済んだのが不幸中の幸い。

…まもなくして着いたところは。

『社長室』

ようやく、大きな黒皮のソファーに下ろされた満里奈は溜め息をつく。

「…あの、私をどうしてここに?」
「…無論、話がしたかったから」

「…」

話がしたかったから。

と言うわりに、えらく密着していて困惑する。
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