俺様社長の溺愛宣言
…シャラッ。

首に手をかけたのは、零士が私にネックレスをかけたからだった。

…しかもそれは、とても高そうなダイヤが付いている。

私は驚いて振り返り、零士を見た。

…チュッ。…触れるだけのキス。

離れた零士の唇が紡いだ言葉は。

「…誕生日おめでとう、満里奈」
「…どうして」

今日は、私の誕生日だった。でも、そんな事零士には教えていない。

「…俺を誰だと思ってる?この会社の社長だぞ?社員の個人情報くらい、簡単に手に入る」

「…あの、ありがとうございます、でも。こんな高価なもの貰えません」

困った顔で言う私の頭をポンポンと撫で、零士は言う。

「…俺が贈りたいから勝手に買ったものだ。満里奈が貰わなければ、ゴミになる」

ご、ゴミ?!

私は驚いて首を降る。

「…ゴミ何てそんな!頂きます。大事にします。凄く」

私の言葉に、零士は満足そうに頷いた。

「…今夜」
「…ぇ?」

「…本当は、今夜レストランで祝ってやりたかったんだが、どうしても外せない仕事があって無理なんだ」

「…そんな、そんな。こんなに良いものを頂いたので、充分です。本当にありがとうございました」

そう言って微笑むと!零士は私を抱き寄せた。

「…買った甲斐があった」
「…」

「…俺は、満里奈のその顔が見たかった」
「…御崎社長」

「…その顔を見ただけで、午後からの仕事も頑張れそうだ」

その言葉に、恥ずかしくなって眉を下げて笑うと、零士はより一層私を強く抱き締めた。
< 41 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop