俺様社長の溺愛宣言
…最上階に着くが、秘書は今不在らしく、秘書席はもぬけの殻。

勝手に社長室に入っていいものかと悩むも、来いと言ったのは零士なので、構わないだろうと自分に言い聞かせ、社長室に。

ドアをノックするが、これまた反応はなく、もしかすると、急用が出来ていなくなったのでは?

そんな事を頭によぎったが、とりあえず開けるだけ開けてみる。

「…御崎社長~?」

そんな事を呟きながら一歩だけ足を入れてみた。

「…きゃっ?!」

誰かが突然私を引っ張ったものだから、私はヨロけて倒れこむ。

ポスッ!

…スーツ…と、ネクタイ。

目の前に飛び込んできたのは、スーツとネクタイ。

私はパッと上を見上げる。

「…御崎社長」
「…驚いたか?」

そんな笑顔で言われても。

私は一瞬固まって、次の瞬間には、プッと吹き出していた。

「…何が可笑しい?」
「…だって、御崎社長があんまり子供みたいだから」

笑いが止まらず、クスクス笑いながら言うと、零士は困ったように笑う。

「…御崎社長、秘書の方が不在だったので、勝手に入ってきてしまったんですが」
「…だろうな」

…へ?

「…社外に届け物を頼んである。ついでに外でランチを取ってこいと言ってあるから、中々帰ってこない」

「…」

…それは、どういう?意味?

「…満里奈と二人きりになりたかったから」

そう言ったかと思うと、私の背後に回り、首に手をかけた。
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