俺様社長の溺愛宣言
…とは言え、仕事中に、私情を挟むのはよくないと思った満里奈は、こんなことがもう二度とないようにしようと心に誓った。

…午後5時。今日は定時に仕事が終わり、満里奈は真っ直ぐに帰宅した。

鍵を開け、ドアを開ける。

「…ただい「パーン!」

突然のクラッカー音に驚いて耳を塞ぐ。

耳を塞ぐと同時に目を瞑っていた満里奈は、恐る恐る目を開けると。

「…誕生日おめでとう、満里奈」
「…お兄ちゃん?!…驚いた」

どうやら、一馬がお祝いのクラッカーを鳴らしたらしい。

「…妹の誕生日を祝うのは、俺の役目だからな。ほら、早くは入れ」

手を引っ張られ、中に入った満里奈は、ワッと声をあげる。

「…凄い…お兄ちゃんが1人で準備を?」
「…満里奈の喜ぶ顔が見たかったから」

そう言って微笑む一馬に、満里奈は嬉しくて、抱きついた。

…テーブルの真ん中には花が飾られ、二人分の料理と冷やされたワイン。それから、プレゼントの箱。

「…ありがとう、お兄ちゃん!」

満里奈の喜びように、一馬も嬉しくて、頭を撫でた。

料理は、一馬の手作り。一流の外科医な上に、料理が趣味と言う何でも出来る一馬は、満里奈にとって、自慢の兄だ。

「…ご馳走さまでした。帰国後直ぐで疲れてるのに、本当にありがとう」

「…満里奈の喜ぶ顔が見られただけで、疲れなんてぶっ飛ぶ…これ、プレゼント」

「…開けてもいい?」

頷いた一馬を見て、満里奈はワクワクしながら箱を開けた。

…ピアス。満里奈は嬉しそうな顔を浮かべ、今ついてるピアスを外すと、それをつけようとするも、鏡がないので手こずる。

見かねた一馬が付けてくれた。

…何故か、気恥ずかしくなって、耳が赤くなる
< 43 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop