俺様社長の溺愛宣言
…ん、待てよ?

俺は、満里奈を両手で掴み、満里奈を見下ろす。

「…満里奈」
「…はい」

「…だと思いますってどういうこと?」

俺の問いに首をかしげる満里奈。

「…好きです。です、じゃなくて、だと思いますって。満里奈は自分の気持ちに自信がないのか?」

「…」

満里奈は困ったような顔でコクりと頷いた。

「…私、」
「…ん?」

「…男の人って苦手だって言ったじゃないですか。でも、御崎社長だけは、嫌悪感もないし、傍にいると落ち着いて安心するし、抱き締められたらドキドキして…」

…満里奈、それは、好きって事だよ。と、言いたいが。

本気で悩んでいる満里奈がなんだか可愛くてもうしばらくこれでもいいかと思ってしまう。焦らずゆっくり、こんな恋があってもいい。

「…恋なんて、したことないから。これが恋心なのかもわからなくて。でも、1人の人として、私は御崎社長の事が好きです、今は、それではダメですか?」

不安げな顔で、そう言った満里奈は俺を見つめた。

純粋過ぎて、可愛くて、フッと、笑みを浮かべた。

「…何で笑ってるんですか?」
「…満里奈が可愛いから」

「…茶化さないでください」

そう言って、怒った顔をするその顔さえも愛しくなる。
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