俺様社長の溺愛宣言

零士side

…それから数日後。

俺は毎日のように満里奈の病室に足を運んだ。

意識を取り戻し、少し体調も元に戻った満里奈。

「…最近、兄が病室に来ないんですが、御崎社長会われましたか?」

病室のベッドの上で、満里奈が、言う。

「…いや、小林先生としか会わないな」

…一馬に会わないのは当たり前だ。彼は今、日本にはいないのだから。

トントン。

ドアをノックする音。満里奈が返事をすると、ドアが静かに開いた。

「…御崎さん、少しよろしいですか?」

入ってきた小林先生の言葉に頷くと、満里奈の頭を優しく撫でた。

「…少し、席をはずす」

満里奈にそう告げると、廊下に出た。

「…どうされましたか?」
「…御崎さん、一馬から連絡が来ました。向こうの準備は整ったそうです。いつ来てもらってもかまわないと」

「…わかりました。こちらもいつでも行けるよう仕事は全て終わらせてきましたので。明日にでも向かいます」

「…宜しくお願いします」

話を終えた小林先生は廊下の向こうへと歩いていく。俺はふぅと溜め息をひとつして、病室に戻った。

「…小林先生が御崎社長に用なんて、初めてですね。どうしたんですか?」

不思議がる満里奈に俺は笑顔を向ける。

「…満里奈の体調が良くなったら、外出許可をもらえるように頼んでた」
「…外出許可を?」

「…満里奈、明日俺とデートしようか」

俺の言葉に、満里奈の顔がパァットと明るくなる。
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