俺様社長の溺愛宣言

満里奈side

体が重い。…まだ、完璧に麻酔は切れていないようだった。

それでも目覚めた私はゆっくりと目を開けると、酸素マスクに点滴に、心電図モニターなど、沢山の機械に繋がれていた。

…私は、生きてる。手術は無事に終わったのかな。

ほんの少し、右手を動かせば、その手を誰かが握りしめた。

大きくて…でも、なんだか冷たい手。

「…御崎、社長?」
「…」

頭はボーッとして、目も少しかすむ。

そんな目で、相手を見れば、零士が困ったように笑って見えた。

私は安心したように、再び目を閉じた。

「…満里奈」

そう呼ぶ声は少し寂しそうで、私は右手を少し握り返した。

…次に目を覚ましたのは、次の日の朝だった。

今度は麻酔はすっかり切れていて、目覚めが良かった。

『おはようございます。目が覚めました?気分はどうですか?』

…、英語で言われても、私は何を言われたのか分からず、とりあえず微笑んで見せる。

相手は看護師。私の顔色を見てニコッと笑う。

『顔色はいいわね。検温をしますね』

朝の検温の時間らしい。体温計で熱を測ったり、呼吸数を見たり、心音を聞いたり。

『…OK、何も問題ないわ。もう少ししたら、食事ですから、それまでゆっくりしててね、ぁ、一馬先生』

看護師からカルテを受け取った一馬がそれに目を通すと微笑みそれを返して、私のベッドの傍にあるパイプ椅子に腰かけた。

「…調子はいいようだな」
「…うん。…ねぇ、御崎社長は?」

私の問いに、一馬から笑顔が消えた。
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