First Love〜ベランダ越しの恋〜
私はそんな優人の顔を見れずに、一人携帯をいじっていた。
「没収〜」
「あ!何すんのよ〜」
「お前なぁ、里奈ちゃんがレポート頑張ってるんだから携帯なんかいじってんじゃねーよ。」
「優人くん、全然いいのに!ごめんね羽美。もうすぐ終わるから。」
『ごめんね羽美』
何に対してのごめんね?
レポートが終わらなくて?
優人が…彼氏が私にちょっかいだして?
里奈は悪くない。深い意味で言ってるんじゃないって分かってる。でも……
今の私には、一言一言に敏感になってしまう。
ヤバい、今の私、絶対ブサイクだ……
「羽美ー!なんか、羽美に用があるんだってー」
え?
呼ばれた先には、他のクラスの男子がいた。
茶髪でピアスを付けて、制服も崩して着ている。顔だけは見た事あるけど、いったい私になんの用だろう……
「ちょっと行ってくるね?」
「………おう。」
私は彼のところへ向かった。
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