悠久のシャングリラ

現在と過去の絆の意味



「やっぱりあたしたちは、
全員知り合いーー友達だったのね」


桔梗の声で、はっと我に返る。

睡蓮が起きたあと、
私はそのまま寝入ってしまった。

そこで覗いた欠片が見せた夢ーー過去。

その内容を、今まさに、
リビングで語らっている最中だった。


「ビックリしたぜ。
まさかとは思ってたけどよ……」

「うん。 でもこれでまた前進でしょ」

「そうそう。
睡蓮ーー隼人も起きたことだしさ」


鳳仙がチラリと
ソファーに腰掛ける睡蓮を見た。


「ややこしくなるし、
この館にいる間は睡蓮でいい」

「うわぁー、睡蓮のあの弱々しい
言葉遣いがなくなってる……」


桜が苦笑気味に笑い、
睡蓮の頭を軽く叩いた。

< 138 / 306 >

この作品をシェア

pagetop