悠久のシャングリラ


そんな場合じゃないのに、
どうしても手に意識がいってしまって。

頬の熱が上がるのを感じる。


(お、落ち着いて!
これは教えてくれているだけです!)


「あの化け物を撃つ自分をイメージして」


息が耳にかかる。

囁かれる形で言われて、
体を身じろぎさせる。


「待った。
動いたら教えられない」

「!」


更にぎゅっと密着され、
頭から湯気が出そうになる。


(お、落ち着いて落ち着いて!
大丈夫。 イメージ、イメージ……)


化け物を倒す自分をイメージしながら、
引き金部分に人差し指を添える。

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