【完】好きだという言葉の果てに
その直後。
ぽすんとまた俺の胸に自然と収まった彼女は、ここは定位置だと言う風に、ぎゅうっと抱きついてきた。
時が止まったかのように、煌いていたイルミネーションも止まって見える。
このまま。
このままって、何度も思うけど。
「ルーレットを廻して、すぐにゴール出来たら幸せ、なんですけどね…」
呟いた言葉は、舞い戻ってきた街の賑わいに混ざり込んで、彼女の耳には届く事はなかった…。