【完】好きだという言葉の果てに
「そろそろ慣れましょうよ?」
「慣れるわけないじゃん。そういう佳人くんだって、赤くなる時あるしっ!ていうか、なんでそんなに余裕なの?!なんかむかつくー」
そう暴れる彼女の自由を少しだけ奪って、俺は髪に、瞼に、頬にキスを落として、最後にまた口唇へとキスをした。
深い、深い、互いの呼吸を混ぜ合わせるようなキス。
「だ、め…よし…」
「や、です。あやめさんがだめって言っても…とめられない。ほんっと、ギリギリのラインで、『そっち』に行かないように、我慢してたりするのに、あやめさん煽るから…」
「よし、と…?」
「好きです。好きです。好きです。止まれない。…どうしてくれるんですか?こんな風にしたの、あやめさん、貴女ですからね?」
それだけ言って、抱き締めたままの腕を少し離すと、彼女がいやいやをした。
「ねぇ…佳人くん…やっぱり、さっきの我がまま…言ってもいい?」
「…どうぞ?」
「あの…今日、このまま…」