君(仮)
その後、俺とリーナは好きな色の糸を買って、どこでブレスレットを作るか決めていた。

「私は、絶対湖の辺の近くで作りたい!!」

「えー、虫とかいそうじゃん」

「そんな、虫とかどーでもいいじゃん!!」

「俺にとって虫はどーても良くないんだがな」

「とにかく!湖の近くにいこーよ!」

これ以上反抗しても、何も進まないと思った俺は渋々「わかったよ」と言った。

5分くらい歩くと湖が見えてきた。

「あれ?なんか綺麗になってないか?前見た時は、花なんか咲いてなかったよ?」

「レイト、知らなかったんだ。
ここは、国王が自分で魔術を使って綺麗にしたんだよ」

「えぇ!?あの国王が自分で!?信じられない。体が弱ってるのに、よくこんな広い湖をきれいにしたよな」

「うん。私も最初は信じられなかったけど、前近くを通った兵士さんに聞いてみたらほんとだったよ。それで、国王の調子はどうですか?って聞いたら、ちょっとずつ良くなってきてるって」

「ほんとか!このまま体調が良くなったら、フェスが復活するかもな。最近、毎年開かれるフェスがなくなってみんな残念そうだったし」

「私もそう思う!フェスが復活したらまた、みんなで行こうよ」

「おう!まぁ、いつになるかわからんけど」

そんな話をして、辺の近くに来た。
すると、結構良さそうな大きめの切り株があった。

「なぁ。あの切り株よくないか?
そこで作ろうよ」

「私も、いま思ったよ」

そして、俺達は、その切り株に向かって歩いていって、ブレスレットを作り始めた。

その時、湖の向こう側で光が反射したように見えた。でも、俺は気にせずブレスレットを作った。

「ねぇ、リーナ」

「なに?」

「作るの早くないか?」

「レイトが遅いだけ」

「不器用だから仕方ない」

「手伝って欲しいの?」

「手伝って欲しい」

「なら、私のが終わったらね」

「おう」
< 5 / 19 >

この作品をシェア

pagetop