世界でいちばんキミが好き。
“ニコ”
そのなまえに、俺は敏感。
声のするほうに顔をむけると、
ニコが廊下で、
ひとりのひとにからまれている。
上履きの色を見て、先輩だとわかる。
ニコは、かわいい。
ふわふわしていて、
どこか守ってやりたくなる。
そんなニコと
いままでいっしょにすごしてきた俺は、
ニコに好意をよせるヤツを
なんにんも見てきたし、
女子からは、よくねたまれていた。
もちろん先輩にもかわいいと有名で、
わざわざ教室まで見にくるひとも。
「ニコちゃん、またからまれてんな」
「ほんと、嫌になる」
なんだあの笑顔。
ヘラヘラしやがって。