自殺取り扱い説明書


「まあまあ!とりあえずこちらに来てください。ね?話はそれからで。」



随分と怪しい男だった。
だが、深雪は内心、自殺の決意なんてできていなかった。
そんな深雪の、飛ぶ気のなかったことの自分自身への言い訳の為に



「ええ、わかったわ。」

そのクロの話に乗ったのだ。


深雪はフェンスの外に出た時と同じようにフェンスを登り始めた。



「あっ、あの。クロ…さん?
ちょっと後ろを向いていてもらえますか?
パンツ見られるの、嫌なんで…。」
おずおずと深雪が言うと



「ああっ!これはこれは、失礼いたしました!」

クロは素直に後ろを向いた。
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