千日紅の咲く庭で
「じゃあ、私は帰るから。花梨ちゃん、今夜こいつ置いていくから、適当に使って」
「なんだよ、適当って」
半そでシャツにロングスカートといったラフな格好に着替えてきた私に、美知おばさんは白の割烹着を脱ぎながら、ぶつくさと言い放った声の主を、顎で指した。
「分かった?変なことするんじゃないわよ、岳!!」
肝っ玉母ちゃんは、いくつになっても肝っ玉母ちゃんらしい。
「食べるものは、簡単に作って冷蔵庫に入れておいたからね。じゃあ、よろしくね」
美知おばさんは、すばやく折りたたんだ割烹着を手提げ袋にしまいながら、そそくさと玄関を後にする。
お礼、言わなきゃ。
そう、思った時にはもう美知おばさんは帰った後だった。
この3日間、現実感がないせいか思考回路だっていつもより格段に遅い。
「なんだよ、適当って」
半そでシャツにロングスカートといったラフな格好に着替えてきた私に、美知おばさんは白の割烹着を脱ぎながら、ぶつくさと言い放った声の主を、顎で指した。
「分かった?変なことするんじゃないわよ、岳!!」
肝っ玉母ちゃんは、いくつになっても肝っ玉母ちゃんらしい。
「食べるものは、簡単に作って冷蔵庫に入れておいたからね。じゃあ、よろしくね」
美知おばさんは、すばやく折りたたんだ割烹着を手提げ袋にしまいながら、そそくさと玄関を後にする。
お礼、言わなきゃ。
そう、思った時にはもう美知おばさんは帰った後だった。
この3日間、現実感がないせいか思考回路だっていつもより格段に遅い。