隠されたfact
「あら、おはよう、リリィ。今日いつもより速いわね」
とキッチンで朝ごはんをつくっていたお母さん、メイがびっくりしたように言ってきた。

「うん…」
寝起きのせいか身体に倦怠感を乗せたまま返事をした。

「何か嫌な夢でも見たのかい?」
心配そうに新聞をたたみながらお父さんが尋ねた

「ううん、どっちかっていうと、幸せな気持ちになる夢を見たの。でも、なんだか、とても悲しくて…」
とダイニングチェアに腰掛けながら私は言った。
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