あなたに憧れて
「昨日、丸山さん達と食事会したんだって?仕事の話を大声で、あいつ(愛美ちゃん)も居たらしいねっかって。組合に関係のない人が同席してる席で嫌いな人の話なんかして良いと思ってるんだか」
『・・・』
「黙ってないで何とか言えて。情報漏えいらっけね、そんがんの」
『そこまでとは考えてなくて、すみません』
「考えないで、そんな事はなしてるんだか!パートさんなんか無理矢理、誘われて断れなくて仕方なく参加したら知らない人が居て全然、楽しくなかったって言ってたろ。組合の話ばっかして誰に聞かれるかと内心ヒヤヒヤしてたってや」
『え?誘ってくれたのは、パートさんの方ですよ?それに最初に嫌いな人の話をしだしたのもパートさんですし』
「パートさんは、そんなこと言ってないって。二宮さんが誘うから仕方なく、この組合に入って最初に話しかけてくれた人だし悪い人じゃないと思ったから、一度だけならと思って参加したんだって言ってた。ここに入ったばっかりの人が二宮さんを陥れるようなこと言うわけないろ?」
『私だって、入ったばっかりの人をイジメる理由はありません!』
「実際、パートさんはそう言って悩んで家永さんに泣きながら相談したんだって」
『組合に関係のない人と同じ席で、仕事の話をしたことは情報漏えいに当たると思ってなくて、そこまで考えが及ばずに申し訳ないと思います。それは私の落ち度だと反省してます。でも、パートさんを陥れるようなことや、皆の輪から外れさせようとはしていません。誘ってくれたのもパートさんの方です』
「パートさんが、あいつ(愛美ちゃん)のことなんか知るはずがないろ?」
『愛美ちゃんは私が誘いましたけど、私を誘ってくれたのはパートさんです』
「何で関係ない人間を誘ったんだて」
『4人からだとコース料理が頼めるからです』
「そんなことで関係のない人と組合の話なんかするなて」
『だから、そこに関しては浅はかでした。謝ります』
「それから掲示板にまた書き込みがあった」
『だから何ですか?』
「書いてないって言ってたけど、どう読んでも二宮さんの書きそうなことなんだて」
『でも、書いてないです』
「組合宛にGメールから代理の飲酒運転の告発も届いてる」
『Gメールのアカウントも持ってないですし、代理の飲酒運転も今、初めて聞きました。私じゃないです』
「西山支店に居た時はSNSで職場の人間3人は殺したいとか話してたねっか」
『西山の時は話してましたけど、注意されてからは書いてません!』
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