お姫様とお嬢様
もう最悪…。



本当に何してるんだろうあたし~…。



「乃彩チャン、俺も好きな子いるんだ。」



ほら…。



もうフラれたぁ~…。



泣きそう…。



「お店のお客さんなんだけど俺とは住む世界が違うんだけど週に2回来てくれる。シャンプーすると寝ちゃうんだよね。」

「水木さん…?」

「モデルやってて6つも年下で…。今日初めてその子の髪切ったんだ。」



それって…。



何?



誰?



あたし?



「俺乃彩チャンが好き。」



キュンとなった心臓…。



まっすぐ前を見て車を走らせる水木さんの横顔が少し照れてた。



「あたしも好きです…。水木さんが。」

「あぁぁぁぁ!!ちょっとタイム!!」



路肩に車を止めた水木さんはハンドルに頭をくっつけて何も話さなくなった。



どうしたの!?



「好きっス…。」

「あたしも…。」

「言うつもりじゃなかったの!!でもなんか今日勇気もらったっつーか…。」



水木さん…。



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