お姫様とお嬢様
こうなったら看病!!



そう思ったのに…。



「早めに病院行くわ…。」

「あ、はい…。」



着替えてあたしを置き去りに病院に行ってしまった…。



そうだよね、はぁ兄達に移したら大変だもんね…。



お昼過ぎに帰って来たナツはダルそうにソファに座った。



「風邪だって…。」

「大丈夫?」

「ダメ~…。乃彩~…俺死ぬんだぁ~…。」



死なないし…。



ナツって風邪引くと弱気になるタイプ?



ゴロッとソファに横になったナツのオデコに触った。



さっきより下がってるじゃん…。



「お腹すいた…。」



潤んだ目に見上げられてそう言われた…。



全然元気じゃん!!



「何食べたい?」

「乃彩…。」

「あたし!?そ、そうじゃなくて…。」

「医者に言われたよ?乃彩不足だから風邪引いたって。」

「ウソ。」

「シィ~…。」



ナツの腕があたしの首に回って引き寄せられた。



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