お姫様とお嬢様
でもどうしてもそばに置いて置きたい。



俺だけ大学なんてイヤだ…。



かと言って日本の大学に進んだら重役達に甘く見られる…。



日本でもイイ大学はある。



でもドイツ留学って名前だけが欲しい。



それだけの為にあっちに行くんだ…。



「舜チャン?別に日本の大学に行ってもイイよ?」

「俺、甘えたくねぇから…。兄貴が頑張ってくれてる分、恩返しがしたい。」

「俺が失踪した時半年も休暇もらったじゃん。それでチャラでしょ。」

「兄貴…。」

「舜チャンは俺より会社の事考えてくれてるよね?でもそれはもう俺の役目。日本の大学に行きなさい。これは社長命令だよ。」



兄貴の優しさを改めて感じた。



親父が死んでからズット親がわりだった兄貴…。



あの半年の失踪は兄貴なりの充電期間だったのかも…。



「T大、受かってもらうから。」

「T大!?」

「当たり前でしょ。頑張ってね舜チャン。」



は、入れねぇかも…。



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