マザー症候群
その前の道端。
なかなか別れられない二人。
漸く決心がついて、道瑠が先に歩き出すと。
波斗、スーツケースをがらがらと押しながら重い足取りで歩き出す。。
波斗が少し歩き出したところで。
「波斗~」
後ろから甲高い道瑠の声が。
波斗が振り返ると。
道瑠が全速力で走って来て、波斗の胸の中に飛び込んだ。
「抱いて。思い切り抱いて」
道瑠が波斗の腕の中で、めそめそと涙を流している。
「どうしたの」
「不安やねん。不安で不安で・・・」
先ほどまで上機嫌だった道瑠の顔が、ぼろぼろに歪んでいる。