マザー症候群

 喫茶店の奥の席に座ると美波が口を開いた。
 「どういうお話かしら」
 「話ちゅうのは俺の男のことや」
 そう言うなり、女水野凛がコップの水を一気飲みした。
 「俺の男とは、游のこと」
 「游、游と気安く呼ぶな。あほんだらが」
 「じゃ、どう呼べばいいの」
 「今井君・・・と、呼べ」
 「今井君。なら、そう呼ぶわ」
 美波は粋がってる凛が、なんとも可愛く思えた。
 「つまりやなあ。俺の男に手を出すなちゅう事や」
 「いつ今井君に手を出した」
 「ぼけ!游はお前の事、スマホの待ち受け画面に入れとるやないか。頭に来る~。俺の居場所を占領しやがって。畜生めが」
 「待ち受け画面がお宅に変わればいいのね」
 「くそ!舐めやがって」
 凛はジーンズのポケットから折り畳みナイフを取り出した。


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