【短編】隣の君に恋する瞬間
「矢野くん、いっつも目つき悪いでしょー?あれ、目が悪いからなの」
有村さんが付け加えてそう言った。
あ…そうなんだ。
だから…。
あの時も…あの時も。
私は矢野くんに睨まれた場面を思い出して、なんだかホッと安心する。
私のこと嫌いで睨んでるわけじゃなかったんだ。
「壊れた」
「嘘つくなよ、引き出しに入れっぱなの知ってるぞ」
「おいそこっ!!!!私語禁止!!!!」
ひっっ!!
久保くんが少し大きめの声を出しちゃったから、理科の馬場先生に怒られてしまった。