言えよ、俺が欲しいって。

覚えてね



七瀬くんに好きだと伝えた次の日の朝。

あたしは、ルンルン気分で教室に向かいながら昨日のことを思い出す。

ルンルンはルンルンだけど……いいの?昨日のあの展開って、喜んでいいことなの?


だって、話せたは話せたけども、


────俺、アンタみたいな人が1番嫌い。


……ガッッッツリ嫌いって言われたんだった。


嫌いって言われても、あたしは大好きなんだけどな、七瀬くん。


そんなことを1人考えながら廊下を歩いていると、ドン!と背中に強い衝撃。



「いったぁ……!!」



「桃華、おっはよー!」



あたしがどれだけ痛がってるのかも知らずに笑顔で挨拶をしてくるのは、友達の美結(ミユ)ちゃん。



「あれ?痛かった?そんなに痛かった?あはははは」



いや、やっぱり訂正!美結ちゃんなんて、友達じゃない!

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