言えよ、俺が欲しいって。


「……そんなの知らない。あたしは、七瀬くんのこと好きだもん」



「はぁ?本当、頭大丈夫?」



七瀬くんは、あたしの制服のネクタイをグイッと引っ張った。



「…っ、」



「俺、アンタみたいな人が1番嫌い」



目の前に見えるのは、七瀬くんのドアップ。
綺麗な顔が、めちゃくちゃ近くにある。


かっこいい……。

なんて思ってる場合じゃないのは十分承知してる。



「でも、あたしは好き!」



七瀬くんと初めて話した日に、あたしは七瀬くんの“一番嫌いな人”になりました。

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