高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
何度果てたかわからない。気がつけば、ベッドの奥にある窓から太陽の光が部屋に差し込んでいた。

「つむぎさん、おはようございます」

「……おはようございます」

「こういうシチュエーション、期待していたんでしょう?」

藤崎社長の笑顔にどきんと胸を打つ。

何も身につけないまま、同じタオルケットにくるまって一晩を明かしたんだ。

「今日は仕事になりませんが、これから僕の指示に従ってもらいますよ」

「……まだ契約彼女だったんですか」

「いえ、僕たちの今後のことについて。それからまたゆっくり抱き合いましょうね」

と、藤崎社長はついばむようにわたしの唇にキスを落とす。

「え!? 会社辞めちゃうの?」

二階堂さんは目を丸くする。

藤崎社長に一旦わたしの自宅に送ってもらってから、出向元の会社に赴いて事情を説明した。

もちろん藤崎社長も同席のうえだ。

「はい」

「ちょっと、それじゃあ困るんじゃないの?」

「星彦さん、わかってること言わないの」

コホン、と時頼さんは軽く咳をする。

「リストラ対象者だったんでしょ。もったいないよね、出向元。あとで後悔させないとね、片桐ちゃん」

「で、結婚式はいつなんだ」

「まだ決まったわけじゃあ」

「早い方がいいでしょうかね」

「飽きたらいつでもいえよ。俺がいるから」

「飽きさせませんよ。今もこれからもずっと」

藤崎社長は整然とした顔でこたえると、ったく、見てるこっちが恥ずかしいわ、と外回りいくか、と二階堂さんは時頼さんを引き連れて出て行った。

「さあ、二人っきりになったわけですから、答えてもらいましょうか。僕たちの恋愛を。社内ですからね、もっと刺激的なものが発見できるでしょうか」

器用に首筋のスカーフを取り去り、わたしの両手首に巻きつけると、有無を言わさず唇を重ねてきた。

藤崎社長の正直すぎる行為を受け入れながら、わたしの嘘のつけない体で答えをあらわした。

(了)
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