高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
「んだよ、起きたのかよ」

わたしの気配に気づき、しぶしぶ顔をこちらに向けた。

わたしの彼氏である朝倉由基(あさくらゆうき)だ。

ボサボサな髪をボリボリとかきむしりながら、だらしない大あくびをして、重そうなまぶたを半分だけ開いてわたしをみていた。

「なんだ。不満そうじゃないか」

「……だって」

そんなこと軽々しく言えるわけないじゃない。

「あのな、まるで下手って顔に書いてあるようなもんじゃないか」

「そ、そんな」

大きなため息をもらしながら、由基は顔の筋肉をゆるめながら話す。

「一緒に気持ちよくなろうっていうもんじゃないのか」

「……う、うん」

毎回終わったあとはこうやって反省会だ。どうして怒られないといけないんだろう。

「やれるだけマシだろ」

「……そ、そうだね」

「まだ足りないのか?」

微妙な空気の駆け引きをしてみる。

それでも由基には伝わらない。

「そうじゃ、なくて」

「疲れてるんだ。まだ朝じゃねえか。昼まで寝るぞ」

ベッドサイドに置かれた自分のスマホを軽くいじってから、ふとんをかぶって背を向けて眠ってしまった。

まだ付き合ってそんなに時間が経っていないのに、遠く感じる。

こんな状態でこの人と付き合っているっていうんだろうか。

ようやく捕まえた彼氏なのに、どうしてこうなっちゃったんだろう。

わたしたち付き合ってるんだよね?

そして、わたしはもう一度目をつぶり、昨日仕事帰りに買って帰宅しながら読んだ甘い恋愛小説の一コマを妄想しながら眠りについた。
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