マジカルウォーズ
私は泣けなかった。
いや、あまりに辛すぎて涙が出なかったと言った方が正しいのだろう。
私はもう息のない母の手を握り、
ただ呆然としているだけだった。
「もう遅い。辛いのは分かるが、お家に帰りなさい」
お医者様にそう言われ、私は現実の世界に引き戻された。
『そうします。本当にいろいろとありがとうございました』
静かにお医者様に頭を下げた。
「芽衣ちゃんこそ、よく頑張ったね」
そう言って、お医者様は去っていった。
私は最後に母の亡骸を振り返った。
母の顔は安らかで微笑んでいるようにも見えた。
まるで、眠っているかのように.....