田舎へ行こう! ~彼女の田舎の冬~
何故か、三人で昼寝する事になってしまった。

俺達が寝た部屋に布団を二組敷き、俺、猫、奈央先輩、犬、守の順番で並んで寝る。

なんだ、これ?と思いつつ、疲れが出て意識が遠退いた。




喉の渇きを覚え目が覚めると、兄の貴史さんが覗き込んでいた。

苦笑しているようだった。

手招きされ、リビングに行く。

奈央先輩たちはまだ寝てるみたいだった。

「面白い事になってるな。」

貴史さんが笑う。

俺は苦笑するしかなかった。

「雪かき、ご苦労さん。
仕事で手付かずになる所、守とあんたの二人のお陰で助かった。」

「仕事、何してるんですか?」

「町役場の職員だよ。
親父はすぐそこの工場で働いている。

守は小さい時からあいつを慕っていて、姉弟のように育ったんだ。

奈央は年下の子とか動物が好きで、良く面倒みてるんだよな。

あんたも、弟扱いだな。

ま、頑張れ。」

頑張れって……。
俺は自分の気持ちもまだ分からないのに、憐れまれたり、励まされたり、ライバル視されたりしても困る。

でも、ただの他人に対する以上の気持ちがあるのは確かだった。
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