王子様たちのシンデレラ(仮)
「彩羽ちゃん大丈夫ー?……あー、あいつか。彩羽ちゃん、行ってきていいよ」




「え!?」



ただでさえこんなにバタバタしているのに、あたしが抜けたらもっと大変になるはず。




「いえ、あたしはあたしの仕事を「いーのよ!陽太たちの休憩なんてきっと今を逃したら直前までないもの。それに、陽太も彩羽ちゃんと話したいんでしょぉ?」




ニヤニヤしている美月さんが変なことを考えているのは一目瞭然。

あたしはふぅ、とため息をつき、もう一度陽太を見上げる。そして……




い・ま・い・く、と口パクで伝えると、陽太は、ま・つ・て・る、と笑顔で手を振ってきた。




「そこの通用口の鍵が開いてるはずだから、行っておいで」




「ありがとうございます、美月さん」




あたしは美月さんに教えてもらった通用口から中に入り、陽太がいた二階のベランダを目指す。


たしかあそこの近くにはリハーサル室があった。




「あ、あっちか」




‟リハーサル室” と書かれた看板を見つけ、そっちに向かって歩いていく。




「彩羽」




階段を上りきるとすぐにリハーサル室にたどり着き、そこにはやっぱりあの4人がいた。




「彩羽ちゃん!」


「「あ、チビ」」




……うん、最後の二人は聞かなかったことにしよう。




「お疲れ様、みんな!」




「彩羽もお疲れ……ってお前まだ起きてから4時間くらいしかたってねえからつかれてねえか」




「うるさいよ陽太」




「彩羽ちゃん、仕事はどう?大変?」




「大変だけど楽しいです!先輩たちは休憩ですか?」




「うん。もうすぐ社長とかほかの芸能人が来るって言うし、テレビの取材も入ってるんだ」




「もしかしてREDですか!?」




「よく分かったね、彩羽ちゃん」




昨日の朝、‟明日のこの時間は Swallowtail Butterfly のライブツアーと中継を繋ぐ予定です!” って言ってたもんね!




「ガキどもー!報道陣来たぞー」




「あ、アユ」




「お、彩羽。お前サボリか?」




「美月さんに許可取りました!!」




なんであって開口一番それなんだよダメ人間!!

……なんて言えないけどね!!

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