王子様たちのシンデレラ(仮)
「ほんと!?うれしー!!」




麗ちゃんがぎゅっと手を握ってくれて、それだけでテンションが一気に、ぱあっと上がった。




「麗さん、美玲さん、収録こっちです」




「はーい」




「これからも応援よろしくね、彩羽ちゃん」




「ばいばい彩羽ちゃん!」




2人に ‟彩羽ちゃん” と呼ばれたことが何よりも幸せで、すぐにでも飛べそうなほどだった。




「いろは、顔」




ぽーっと収録に参加している2人を眺めていると、ふと麗ちゃんの隣にいる陽太と目があった。




「はっ!!そうだ、仕事戻らなきゃ!!」




「あー、それなら美月が戻ってこなくていいって言ってたぞ」




「え?」




それじゃあ人手不足で販売所やばいって!!




「だーかーら、心配すんなよ、Midnight Wolf のスタッフも加わったから」




「……は?」




「え、お前聞いてねえの?」




……なんのことか。




「ま、楽しみにしてろよ、最終日のライブをな」




「え?」




「さ、昼飯のロケ弁運ぶぞ!」




「え、ちょっとアユ!!」




あたしは必死にアユを追いかけた。

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