捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~

「で、話の続きなのだけど」

「まだあるの?」

「ええ……。少し言いにくいのだけれど、どうもアリシアがランス様を誘惑してベルフォンヌ様から奪ったと、そんな話も広まっていて……。ディアスの婚約破棄の件もあったじゃない?それはこの一件が原因じゃないかって、そう噂されているのよ」

「な……!」

一気に血の気が引いた。

噂はあくまで噂。

真実がそのまま広がるとは思ってはいない。

ましてやあれだけ人気のあるベルフォンヌ様とランス様だ。

そう話が湾曲されて広まってしまうのは、仕方がないことだろう。



でも、相手が悪すぎる。

国を担うふたりの仲を引き裂くような悪女だと、ネリベル家は後ろ指を刺されないだろうかと、大きな不安に駆られた。

私だけが悪く言われるのはまだいい。

けれど、この家にまで迷惑がかかってしまったら……。




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