捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
11告白
シーモアが部屋から出ていったさほど時間は経っていないはずなのに、やけに長く感じられる。

ずっと私の心臓は早鐘を打ち続けていた。

まだかという思いが、時間の感覚を狂わせているのだろう。


やがて扉が開かれ、ランスが部屋へと入って来た。

その瞬間、私の心臓は最大のうるささを見せる。


思わず胸元の布をギュッと強く握った。


「話はだいたい聞いた。大した怪我がなくてよかった」

「え、ええ。お薬も塗って頂いたし、すぐに良くなると思うわ。なにからなにまで、本当にありがとう」

「いいや、気にする必要なんてないさ。大事なアリシアのためだ」


ランスは寝台の隣に置かれた椅子に腰掛け、穏やかな顔で私を見つめる。

優しい眼差しに、心の中がほんわりと温かくなり、自然と笑みが零れてしまう。


「……どうした?突然笑って」

「ううん、なんでも。なんか、嬉しくて」

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