ミツバチジュエル
勝ち誇るだろうと思ったのに、彼の言葉から伝わったのは全く違う感情だった。
予想外の言葉を聞いて、胸がきゅっと締め付けられるような衝撃を受けた。
すっかり忘れていた、この衝撃。
保育園時代、悪ガキ三人相手に私を守ってくれた貴斗から、プロポーズされて以来、かも。
いや待てあれはまだ三歳の時の話。
もう私にプロポーズしたことなど、貴斗はきっと忘れてる。
なぜ貴斗相手に……いや、まだきっとアナフィラキシーショックの影響で、心拍数が上がっているに違いない。
この身体の火照りは、蜂毒のせいだ。
頼むから、そこのモニターに気づかないで!
……なんていう私の願いも虚しく、貴斗は急に早まった私の心拍数を見て、今度こそ勝ち誇ったようににやりと笑った。
その様子を見て、私の心拍数は更に上がった。