恋の契約は永遠に
「私ね、女性関係よりも気になってる事があるの」
「えっ、何?」
「あのね、その……」
「勿体ぶってないでお姉さんに話してごらん」
私は気になる事を美沙に言った。
想いが通じ合って、体を重ねたあの日から一緒に暮らしだしてそういったことが無いことにモヤモヤしている事。
性欲がとかじゃなく女としての魅力がないのかなって……。
「そのモヤモヤは彼に伝えたの?」
「言えないから美沙に相談したんでしょ?」
「これは彼じゃないから何とも言えないけど、遊びや割り切った関係なら体を重ねる事はあると思うんだけどさ、本来なら好きな人と想いが通じて付き合う事になってから体を重ねる流れが普通だと思うけど、同時に一つの事が重なって、順を踏むタイミングを早まったって思ってるのかもよ?彼も若い訳じゃなく大人なんだし、麻耶をそれだけ大事に思ってるんじゃないかな?」
「そうだといいんだけど、やっぱり女としての自信がなくなってくるんだよね」
そんな話をしていたら一郎から着信が鳴った。
『もしもし』
『今終わってホテルに帰ってきた。友達といるの分かってるけど麻耶の声がどうしても聞きたくてさ』
電話越しでもそんな事を言われると照れてしまって、美沙に勘付かれてニヤリとされた。
そして美沙が一郎に挨拶したいからと言われてスマホを美沙に渡した。