恋の契約は永遠に



部屋に戻り、掃除をしてソファーで横になりテレビを見ていた。


一緒に住みだしてまだ一カ月も経たないのに、広い部屋に一人ぼっちって寂しいな。
夜には"ただいま"って一郎が帰ってくるのに、少し離れるのが寂しいなんて思わなかった。
今までずっと一人で慣れていたのに、一人で居た時間よりも一郎と居る時間が大きな存在になってるんだなって実感した。


私はソファーから起き上がり、夕食を済ませてお風呂に入った。


お風呂から上がるとお肌の手入れをして、リビングに戻ると携帯が鳴った。


「もしもし?」


『あっ、麻耶?今終わってやっと部屋に戻ってきたよ。明日の夜にならないと帰れないし早く麻耶に会って抱きしめたい』


電話越しなのに顔が真っ赤になるのが自分でも分かった。


「明後日には会えるし、私だって一郎が居なくてさ、『ちょっとごめん、お客みたいだ』」


私の言葉を遮られたと思ったら、電話越しに何やら声が聞こえた。


『宗ちゃん、聞いてよ。』

『どうしたんだ?うわっ、ちょ、どうしたユキ? ごめん麻耶、また電話する』


そう言って突然電話が切れた……。


はっ?な、何今の……。


"宗ちゃん"って声が聞こえたけど何なの?
しかも女の人の声で一郎も"ユキ"って言ってた。


私は頭の中が混乱しだした。
落ち着かせる為に冷蔵庫からビールを取り出して飲む。


だが色々と考えてしまって、悪い方へと考えてしまう。


電話を切ってあれから二時間。
一郎からの連絡は無い。


もしかして女の人とまだ一緒なの?
馴れ馴れしく"宗ちゃん"なんて呼ぶのは親しい仲って事でしょ?
きっと女の人は綺麗な人で、一郎の事が好きで、連絡ないって事はまさか!?


もう何だか涙が出てきていつの間にか寝てしまっていた。



< 66 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop